僕の5号機時代の思い出を年ごとに振り返るシリーズ、今回は2010年と2011年です。結論から言うと、この2年で僕が覚えたのは「因果は回りまわってくる」ということと、チームは簡単に壊れるということでした。
この記事の要約
- 2010年は蒼天の拳と鬼武者の初代が入った年。僕は人気の鬼武者ではなく蒼天の拳派だった
- 1番人気には人が集まるから、あえて2番手3番手の穴を突く立ち回りをしていた
- ホールで聞こえるように言った悪口を、数年後に有名になってから本人に「覚えてますよ」と言われた
- 同い年3人でチームを組んだけど、オカルト派の仲間と揉めて長く続かなかった
- 2011年は東日本大震災と広告規制でイベントが消えて、一時ホストをやっていた
王道じゃなくて2番手3番手を狙っていた
2010年は蒼天の拳と鬼武者が入った年なんですよ。鬼武者の方が圧倒的に人気があったんですけど、僕はすごい蒼天の拳派だったんですよね。
これは好みの話だけじゃなくて、立ち回りの話です。僕は基本的に、王道じゃなくて2番手3番手みたいな立ち回りをするんですよ。1番人気の機種って、みんなが狙うから競争がきつい。当時の僕は知識も足りなくて上手くもなかったんで、なおさら1番人気を選んじゃいけないんですよね。だから人気のない方の機種で穴を突く。この考え方は今でも変わってないです。
聞こえるように言った悪口が、5年後に返ってきた
この年の話で、僕が一番覚えているのがこれです。
ある店で、設定6っぽい台を2人組の打ち手が捨てたことがあったんですよ。状況が悪かったら捨てることはあるんですけど、その日は待っていればわかるような日で、「早すぎだろ」と。それで僕は、聞こえるように「下手くそすぎだろ」って言っちゃったんですよね。当時の僕は名前も何もない、ただの打ち手です。誰も僕のことなんて覚えてないと思ってました。
それが4〜5年後です。僕が夏目五郎として有名になって、別のホールにいた時に、知り合いづてに「僕のこと知ってます。あの時、居合わせたんですよ」って言われたんですよ。まさかと思って聞いたら「マジで覚えてますよ」って。あれはヤベえって思いましたね。
因果ってこういうふうに回りまわってくるんだなっていうのは、身をもって覚えています。ホールって狭い世界なんですよ。名前がない時期の振る舞いも、誰かがちゃんと見てる。これは本当にそうです。
3人チームは、オカルトで壊れた
2010年には新しい仲間も増えました。幼馴染の友達と、同い年でこの地域で立ち回っていた奴と、僕の3人。話も合いそうだしじゃあ一緒にやろうって、3人チームで稼働を始めたんですよ。
それがね、めっちゃ揉めるんですよね。
幼馴染の方は僕の言うことを聞いてくれたんですけど、もう一人がオカルト入ってるんですよ。ジャグラーが好きで、「この台は光るから当たる」とか、よくわかんないことを言う。しかもタチが悪いことに、それでたまに本当に出ちゃうから、本人はそれを信じ続けるんですよね。僕は高設定だと思ったら出てなくても突っ込むタイプなんですけど、その人は出てなかったらすぐやめたいタイプ。台の扱いでぶつかって、ブーブー言われて、そんなのの繰り返しでした。
結局、長くは続かなかったです。幼馴染も大学卒業の年で抜けて、気づいたら僕一人になってました。3人で始めたのに一人になった、というのが2010年の一番の印象ですね。ただ、一人になってからの方が、設定狙いをコツコツやる時間は増えました。ライバルの少ない店を拾って、確定演出の出る台を触って、後半はいい感じになってたんですよ。仲間は大事ですけど、判断の基準が揃わないチームは収支より先にストレスが溜まる。これは今でもそう思います。
2011年、震災と広告規制で世界が変わった
2011年は東日本大震災です。僕はその時、神奈川でバイクで走ってました。歓楽街の近くで、揺れがやばすぎて、店の女の子もお客さんもみんな道路に出てきたのをすごく覚えてます。ガラケーは通じなくなるし、コンビニの飯は消えるし、これはやばいかもしれないと思って、バイクで静岡の実家まで帰りました。帰る道はめちゃくちゃ混んでて、計画停電もあって、明らかに異常な事態でしたね。
静岡では鬼武者の天井狙いが面白いように拾えて、ハイエナだけで真面目にやったらしっかり結果が出た時期もありました。ただ、そこから業界に広告規制が来るんですよ。イベントができなくなる。今までみたいに「この日に入る」がわからなくなるとなったら、さすがに生活がやばい。
それでどうしたかというと、ホストを始めました。
これがまあ、ひどかったんですよね。給料がちゃんともらえない仕組みで、正直、詐欺みたいなもんだと思いました。それでもシャンパンコールを覚えたり、キャッチをして怒られたり、女の人にタバコを投げられたり、いろいろ経験して。結局長くは続けずに、またスロットに戻って、モンキーターンのハイエナから再開しました。
振り返ると、環境が壊れた時に慌てて飛びついた仕事って、大体ろくなことにならないんですよ。それでも僕は、パチスロに戻る場所があったから立て直せた。自分の勝ち方を持っているものが一つあるって、そういう時に効くんですよね。
記事内Q&A
Q. なんで1番人気を打たないんですか?
A. 人が集まるからです。1番人気は上手い人も含めてみんなが狙うので、当時の僕みたいに知識で勝てない側は、2番手3番手の空いているところで穴を突く方が期待が持てるんですよ。人気と稼ぎやすさは別物です。
Q. オカルトの仲間とはどう付き合えばいいですか?
A. 一緒に台の判断をするのは無理だと僕は思います。「光るから当たる」にたまたま出た成功体験がつくと、もう理屈は通じないんですよ。友達としては付き合えても、収支を共有するチームは判断基準が揃う相手とだけ組むべきですね。
Q. ホールでの振る舞いって本当に見られてますか?
A. 見られてます。僕は無名時代に言った悪口を、5年後に本人から「覚えてますよ」と言われました。狭い世界なので、余計な一言は回りまわって返ってきます。ライバルの下手なやめ方は、笑うんじゃなくて黙って拾えばいいんですよ。